今でも時々ニュースなどで話題に上る出会い系詐欺事件。

大抵の場合が、たった一人の女の子に会うために数百万円をつぎ込んでしまったとか、お金儲けを持ちかけられて逆にお金を騙し取られてしまったとか、そういった類の報道ですよね。

傍から見れば明らかに嘘だと分かる出会い系詐欺ですが、その被害に合う人は意外なほどに後を絶ちません。

なぜ人は、このような詐欺に引っかかってしまうのでしょうか?

出会い系詐欺の手口と、その対策についてお話しましょう。

出会い系詐欺のよくある手口

セフレ

法律事務所などに寄せられた出会い系詐欺に関する相談内容を詳しく分析してみると、具体的には以下のような手口に被害者の方々は騙されていることが多いようです。

  • 有名タレント、アイドルや、そのマネージャーとメールをしている。
  • 地位や経歴が立派、もしくは立派過ぎる人とメールをしている。
  • メールの相手、もしくはその知人から大金を譲り受ける約束をしている。
  • 完全な無料サイトのはずだったのに、気がつけばポイントを購入させられていた。
  • 簡単な儲け話があると言われた。
  • サイト(出会うため)において必要な料金の半分を出して欲しいと言われた。
  • 少額訴訟や刑事告発などといった単語をちらつかせ、こちらの恐怖心を煽られた。

どれもこれも、人間の性欲、金銭欲、そして恐怖心を煽るようなものばかりですね。

詐欺の定番の手口とも言えます。

何故騙されてしまうのか?

そもそも、人は何故こういった詐欺に騙されてしまうのでしょうか。

心理学によれば、人は多くの時間や自分の資産を費やして築き上げたものに対して執着してしまう傾向にあるのだそうです。

例えば、株やギャンブルなどで「どうしてそんなに?」というぐらい大負けしてしまう人がいるのも、この心理が関係していると言われています。

  1. 最初は負けも小さかったのに、気が付くとそれが膨れ上がってしまっていた。
  2. ここで引き返せばまた時間を置いて立て直すこともできるけど、そうするとこれまで費やした時間とお金を今取り戻すことはできない。
  3. それは嫌だ。今勝ちたい、今すぐに成功したい。

このような心理ですね。

出会い系詐欺も一度騙されてしまうと、それが例え少額だったとしても「もしかしたら本当に出会えるかもしれない」という執着が生まれ、その執着を捨てきれない人が最後には数百万という金額を騙し取られてしまうのです。

中々出会いが見つからずにヤキモキしていた男性であれば、可愛い女の子からの誘いは舞い上がってしまうものですよね。

女の子とやりとりの中で多少の違和感があったとしても、「気のせいかもしれない」とか「このチャンスを逃したら次は無いかもしれない」みたいに、自分の都合の良いように解釈してしまいがちです。

そうなるともう後はお決まりのコースで、どうしても女の子との関係を切ることができずに相手に言われるがままポイントを消費したり、お金を負担したりして、気がついた時にはとんでもない被害額になっているのですね。

出会い系詐欺への対策とは?

出会い系詐欺は、冷静に考えると不自然に思えるいくつかの特徴があります。

あらかじめ詐欺の情報を得ておくと、詐欺師の罠から自分の身を守ることができるのです。

どのようなことに気をつければいいのかいくつかポイントをご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

可愛い子からのメッセージは100%罠の匂い

可愛すぎる女の子からメッセージが来たら、冷静に内容を分析しましょう。

もし誰にでも当てはまるようなメッセージや、「こんにちは、仲良くしてください♡」みたいな当たり障りのないメッセージが来たなら、それは警戒した方が良さそうです。

詐欺業者は数多くの男性利用者の中からターゲットを絞る必要があるので、無差別に大量のメッセージを送り、返信してきた男性を罠にかけようとします。

男性心理としては、可愛い女の子からメッセージが来たら嬉しいものですよね。

けれども、目を引くほどのイケメンかお金持ちでなれけば、芸能人やモデルクラスの可愛い女の子から積極的に連絡がくることは100%ありません!

女の子の側から連絡先交換を持ちかけてくることはほとんどありません

知り合ってすぐ、メッセージを1~2通交わしただけの女の子から連絡先交換を持ちかけられたなら、それも要注意です。

もしかしたら相手は、メールアドレスや電話番号、LINEのIDなどの個人情報を回収する業者かもしれません。

そうやって盗まれた個人情報は、大量の迷惑メールやワンクリック詐欺のような違法行為に利用されてしまいます。

こういうのって警戒している時は引っかからないんですが、ちょっと精神的に疲れていたり、うっかりしているタイミングで送られてくると引っかかってしまう傾向にあるんですよね。

そもそもの話ですが、普通の女の子であれば、出会い系サイト・アプリで自分から連絡先を交換したいとは言ってこないものです。

見たこともない人を信用するのって、やっぱり怖いですからね。

他のサイトへ誘導されたならそれは確実に詐欺業者

他のサイトに誘導するのは、出会い系詐欺のよくある手口のひとつです。

具体的には女の子から、「無料でメッセージのやりとりができるサイトがあるの」「スマホの調子が悪いから、ここのサイトで連絡を取り合いたい」「旦那に携帯を没収されたからパソコンで連絡を取り合いたいの。ここのサイトに登録してほしい」などと、誘導する理由は様々ですが、基本的にはどれも別サイトへ飛ぶURLが記載されています。

そして相手に言われた通りURLにクリックすると「登録完了」のように表示され、「登録料3万円を支払え」のように不当な請求をされてしまうのです。

使い古された手口なのでハッピーメールのような最大手の出会い系サイト・アプリではかなりの高精度で対策されていますが、新しく出てきた出会い系アプリやマッチングサービスなんかだとこれらの対策が不十分で、引っかかってしまう人もいるようです。

女の子がなんと言おうが、よく知らない他のサイトのURLは絶対にクリックしてはいけません。

実際に出会えた後も油断は禁物!

出会い系詐欺というのは「出会えずにお金だけ騙し取られる」のが基本ですが、昔ながらの手法で「出会わせてから盗み取る/脅し取る」というのもあります。

いわゆるハニートラップというやつですが、具体的にはどのような危険性があるのかをチェックしておきましょう。

デート商法

デート商法とは、男性の下心や恋愛感情を利用して宝石や絵画、骨董品を購入させるというものです。

手口としては、待ち合わせ場所に容姿端麗な女の子が現れます。

そしてデートが盛り上がっている時に、女の子から「連れていきたい場所がある」と誘導された先で高額な商品の契約をさせられるのです。

男性はおかしいと思いつつも、女の子から好意がある素振りをされると「ノー」とは言えなくなってしまったり、または長時間しつこくねばれられて根負けして契約してしまう人もいます。

たとえ契約しても契約後8日間の間はクーリングオフが可能なのですが、詐欺師側も当然それを把握している為、あの手この手を使って期限切れまで逃げ続けようとします。

その結果、手元に残るのはゴミのような商品と多額のローンだけという、なんとも悲しい思いにさせられる詐欺です。

美人局(つつもたせ)

美人局とは、女性とセックスさせた後で、その女性の旦那だと名乗る男性から慰謝料を請求されるというものです。

また亜種としては「お前がセックスした相手は実は16歳の児童だ。このことを警察に知られたくなければ金を払え」みたいなものもあります。

要は不倫や未成年略取といった社会的に制裁を受けるであろう行為に男性を誘導し、行為が終わった後でそれをネタに強請りを行うのが美人局という詐欺ですね。

ワンポイント

美人局に関しては、騙された側にやましいことが無ければ、逆に脅してくる側を脅迫罪などで訴えることができます。

これに関しては一人で悩まず、信頼できる立場の人間にちゃんと相談した方が良いでしょう。

何だかおかしい、そう感じたなら

もし、今自分が騙されているのではないか、そう感じているならすぐに法律事務所もしくは消費者センターに相談してみてください。

専門家が丁寧に相談に乗ってくれるはずです。

その結果、問題が無ければそのままで構わないでしょうし、問題があったとすれば被害を最小に済ませられるかもしれません。

相談する際は、女の子の情報や、やりとりをスクショした画面、お金を支払った履歴など、どんな些細なことでもいいので証拠として残しておくといいですよ。

こうした証拠は詐欺の事実を証明し、返金してもらう為に役立つからです。

とにかく普通の出会い系であれば、そんなに大金をつぎ込む必要など全くありません。

芸能人・アイドル御用達の出会い系サイトなどありませんし、男を買って楽しんでいるようなセレブ人妻専用の出会い系なども存在しません。

もしそのような触れ込みで出会いのお誘いが来ているのだとしたら、それは出会い系詐欺である可能性が高いので注意してください。

世の中に美味い話はありません。

出会い系サイト・アプリを使う時は、ぜひそのことを念頭に置いといてくださいね。