出会い系サイト規制法(正式名称、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)は、2003年(平成15年)に制定されました。

出会い系サイトなどのインターネット上で異性が出会う場において、18歳未満の児童が犯罪に巻き込まれるケースが頻出していたので、出会い系サイトの利用に起因する児童買春や誘拐などの犯罪から子供たちを保護すること、そして健全な育成を図ることを目的としています。

この法律では児童=18歳未満の少年、少女としているため、法律制定後は18歳未満の児童は出会い系サイトを利用できなくなりました。

2008年(平成20年)に法律の一部が改正されました

悪意ある大人から児童を守るために2003年に出会い系サイト規制法が規制され、一時的に犯罪に巻き込まれる児童の数は減りました。

しかし、警視庁によると2006年(平成18年)に再び18歳未満の少年少女を狙った犯罪が増加しているという結果が出ています。

これでは、法律の効果がないように思えますよね。

そこで、出会い系サイト側に規制の強化を求めるため、出会い系規制法が制定されてから5年後の2008年(平成20年)に法律の一部を改正し、同年12月1日に新たに施行されたのです。

また、翌年2009年(平成21年)には、年齢確認の方法も強化されました。

サイト側は、利用者が18歳未満の児童ではないことを確認するために、運転免許証や国民健康保険証などの提示、もしくは児童であれば利用することができないであろうクレジットカード払いという支払い方法についての同意を得なければならないと義務付けたのです。

出会い系サイト規制法によって課せられた義務とは

出会い系サイト規制法によっていくつかの制限が出会い系サイト側、そしてそれを利用する側に義務として課せられるようになりました。

ざっくりと言いますと、出会い系サイト側に課せられた義務は以下のようなことになります。

  • 18歳未満の児童は出会い系サイトを利用してはいけないことをサイト内に分かりやすく表示する。(サイトを宣伝する際も「18禁」などと記載して18歳未満の利用不可を訴える)
  • 出会い系サイトを運営する場合、利用者が児童でないことを確認(年齢認証)しなければならない。
  • 児童を対象とした出会いを求める書き込みや性的な書き込みなどがあった場合は速やかに削除し、他の利用者がこの書き込みを見ることができないようにする。

次に、出会い系サイトの利用者がしてはいけない行為について見ていきましょう。

  • 18歳未満の児童を対象とした出会いや、性交渉を目的とした書き込みをしてはいけない。
  • 18歳未満の児童に対し、対価を支払うかわりに性交渉を求めるといった書き込みをしてはいけない。

例えば、「エッチできるJK募集」や「好きな物買ってあげるからデートしない?JC希望」はアウトです。

いくら隠語を使っていても、18歳未満を目的とした性的目的の書き込みは処罰の対象です。

また、「JKと真剣交際希望」といった性交渉が目的ではない出会いについての書き込みもしてはいけません。

ちなみに、出会い系サイト規制法では、サイト側や大人だけに義務が課せられているわけではないです。

18歳未満の児童も大人と同じく、出会いや性交渉、援助交際を求める書き込みをしてはいけないと法律によって定められています。

軽い気持ちであっても児童が「彼氏募集中!17歳♀」「ホ別、苺、円募集。JK2(ホテル代別、1万5千円、援助交際募集)」「パパ募集!JC2」などと書き込むことは許されません。

児童がこのような書き込みをした場合、サイバー補導の対象となります。

犯罪に巻き込まれる児童が多くいるので、警察は定期的に性犯罪に繋がるような書き込みをしていないかチェックし、対象者を補導しているという実態があるのです。

出会い系サイト規制法の義務についていくつかお話をしましたが、要するに18歳以上の人しか出会い系サイトは使っちゃいけないし、18歳未満の人とも出会ってもいけないということですね。

逆に言えば、18歳未満の児童を対象にしなければ何も問題ないということでもあります。

安心して利用しましょう。

出会い系サイト規制法に違反するとどうなるのか

出会い系サイト規制法は法律ですので、それを破れば当然のことながら司法によって罰せられることになります。

しかも民事事件ではなく、刑事事件として取り扱われます。

もちろん刑事事件なので罪を犯せば前科も付きます。

ただし、この法律は我々一般の利用者ではなく出会い系サイト側に課せられたものですので、普通に利用する分には特に気にしなくても大丈夫です。

しかし、もしも出会い系サイト内で18歳未満の相手と出会ってしまい、そして性行為まで行ってしまったとしたら「青少年保護育成条例」という別のルールによって罰せられる可能性があります。

こちらの条例に引っかかってしまった場合は、「淫行」という名目で逮捕されてしまいますので、本当に気をつけてください。

メールアドレスを交換するなど個人的なやりとりをすることも、性的な画像を送るように言うのも処罰の対象なので要注意です。

そうならないためにも、相手が18歳未満の児童だと分かった場合は即撤退しましょう。

疑いがある場合も止めておいた方がいいです。

17歳でも20歳に見える女の子はザラにいるので、見た目だけでは確実に18歳未満ではないという確証を得るのは難しいかもしれません。

もう少しでヤレるかも……と思うと惜しい気がするかもしれませんが、性欲に負けるとあとが怖いですよ。

とにかく出会い系サイトで知り合った18歳未満と関わるなということです。

たとえ女の子が年齢を偽っていても、罪は罪です。

出会い系サイト規制法が制定されても18歳未満の児童と出会ってしまう危険性はある

残念ながら、出会い系サイト規制法が制定されても100%の確率で18歳未満の児童と出会うことがないとは言えません。

年齢認証が必須だとしても、法をかいくぐる方法はあるのです。

例えば、親や姉妹、知り合いの免許証を借りて登録するケースです。

この場合、運営側としては本当に免許証の人物が利用しているのか知る術がありません。

18歳未満の児童ほど出会い系サイトに興味を持ち、面白半分で登録してしまうので、純粋に出会いを求める男性諸君からすると爆弾を放り込まれたような気持ちになりますよね。

それ以外にも、援デリとして18歳未満の児童を派遣する悪質業者が潜んでいる場合があるので注意が必要です。

ただし、優良出会い系サイトは24時間監視体制が整っており、怪しい書き込みは削除される仕組みなのでそこまで心配する必要はないかもしれません。

援助交際は犯罪行為?

自分も相手も、お互いが18歳以上で尚且つ同意の上なら、援助交際で処罰されることはありません。

援助交際という行為自体は、特に犯罪行為でも何でもないのです。

ただ、相手が18歳未満の児童だった場合は、それが援助交際であってもなくても相応の罰を受けることになるでしょう。

ですのでもしあなたが18歳未満の援交女子と出会ってしまったなら、身の潔白を証明できる何かを準備してから、できるだけ速やかに撤収しましょう。

黙っていれば、バレずにおいしい思いができるかも、などという考えは捨てた方が良いです。

援交する女の子は常習性が高かったり、他にも補導の対象となる違反行為をしている可能性があります。

もしそこで警察に補導されたり、最悪の場合逮捕されるようなことがあれば携帯電話の中身から芋づる式に援助交際した事実がバレることになりますよ。

それでなくても、女の子が自分から援交していることを周囲にバラしたり、SNSに書き込む可能性だって考えられます。

考えるだけでも恐ろしいですね。

年齢認証がない出会い系サイトは詐欺サイトの可能性が高い

年齢認証がない出会い系サイトは危険です。

出会い系サイト規制法では、年齢認証をすることが義務付けられています。

違反している出会い系サイトが、まともな運営をしているわけがありませんよね。

年齢認証は優良サイトの証とも言えるでしょう。

登録する際に免許証や保険証を提示するのは少々面倒に思えますが、トラブルを回避するためにもきちんと証明しましょう。

出会い系アプリには年齢認証がない場合がある

出会い系アプリは、出会い系サイトが形を変えただけです。

異性と出会えるという点では同じですね。

これだけを見ると、出会い系アプリも出会い系サイト規制法の対象に思えますが、現状では法的規制がありません。

出会い系サイト規制法の対象は、1対1の通信機能があることです。

そのため、利用者がアプリの中で個人情報を通知し、利用者同士が個別に連絡がとれるようになっても対象外となります。

それに、出会い系アプリは利用規約などで異性の出会いを禁止していることがあり、表向きはあくまでもコミュニティサイトという名目で運営しているのも対象外になる要因と言えるかもしれません。

そしてこれは、出会い系サイト規制法によって規定が厳しくなり、以前のように出会い系を利用できなくなった18歳未満の児童たちが出会い系アプリに移行することにも繋がります。

しかも、アプリはLINEのような手軽さがあったり、GPS機能によって身近な人と出会えるといった利便性があるので若い年齢層に人気が高まっています。

年齢認証を行っていない出会い系アプリには、児童が多いとも言えるかもしれませんね。

そうとはいえ、いくら出会い系サイト規制法の規制対象となっておらず、18歳未の女の子と出会えたとしても性交渉していいわけではありませんよ。

当然ながら、18歳未満の児童と性行為をした罪は償わなければならないので注意しましょう。

出会い系アプリは、あくまでも出会い系サイト規制法の対象外というだけの話です。

またこのようなアプリの中には悪質サイトが紛れていることが多いので、トラブルに巻き込まれる危険性が高いことも忘れないようにしましょう。

やはりきちんと届出を出し、許可を得て出会い系サイトを運営している優良サイト以外は危険が伴うということです。

利用者に課せられた義務は年齢確認の書類の提出のみです

この出会い系サイト規制法によって私たち一般の利用者に課せられた義務は、運転免許証や健康保険証など自分の年齢が証明できる公的書類をサイト側に提出することだけです。

ですので、もしも「出会い系サイト規制法によって、初回はデポジットとして30万の入金が必要です」のような通知が来たとしたら、それは確実に詐欺ですので引っかからないようにしてくださいね。

なお、年齢確認の際の注意事項については「年齢確認は安全か?出会い系サイトやマッチングアプリの認証」でお話ししていますので、ぜひご一読ください。