「最初は別に良い曲だとは思わなかったけれど、何回か聴いてくうちに好きになっていった」

アーティストのアルバムを買った時、中にはいまいち好きになれない、いわゆるハズレな曲があったりしますよね?

ですが、そんな曲でも何回か繰り返し聴いているうちに良い曲だと思えるようになった経験、あなたにもありませんか?

実はこれ、人間の心理的な法則に基づいた現象だったんです。

単純接触効果、ザイアンスの法則とは?

「接触回数、接触頻度が多ければ多いほど、個体間の親密さが増す」

という心理学的法則です。

簡単にざっくり言えば、会えば会うほど相手のことを好きになるという、意識したことのない方にとってはちょっとにわかには信じられないような法則なのです。

しかし冒頭の例のように、相手が物であっても人であっても、繰り返し接触することで愛着が沸いたり良い面が見えてきたりした経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

もちろん最初からそんな良い面なんて見つけられない、何度も会ってるから見えてきたんだ、というのも真実です。

ですがそれと並行して、あなたの中の心理的な抵抗・ハードルが無くなっているのもまた事実なのです。

「心理的な抵抗が無くなったから相手の良い面に気付くことが出来た」と言うのも、まずまず納得の行く話なのではないでしょうか?

ですので、もしあなたのことを好きになってもらいたいのなら、その相手に何回も会いに行くことが大事なのです。

ワンポイント

当然ですが、相手に好きになってもらいたいのなら自分磨きもしっかりしましょう。

イメージが固まる前に頻繁に連絡を取りましょう

人心をハックするザイアンスの法則にも、いくつか制約があります。

最初の印象が悪いと、その印象を強化してしまう

例えば嫌いな相手に対しては、会えば会うほど、意識すればするほど、その相手が嫌いだという思いが強くなっていきますよね?

このように、一旦イメージが固まってしまうとそのイメージを覆すことは難しくなります。

ですので、最初は無難に過ごして、良い印象も悪い印象も与えないぐらいで丁度良いかもしれません。

単純接触効果による好感度の上昇は10回程度が限度

これはザイアンスの法則の確証を得るために行った実験の結果から判明していることなのですが、接触を繰り返すことで上昇していく好感度は10回目あたりでピークを迎えて、それ以降は何回接触させても大して変わらなかったということです。

ですのでザイアンスの法則を意識するのであれば、相手と初めて出会ってから10回のやり取りの中で、自分に対しての良い印象を植え付けなければならないと言うことです。

ワンポイント

なるべく早い段階で、例えば2~3回目ぐらいで好印象を与えられれば、その後の7~8回が非常に有意義なものになりますね。

ダラダラとチャンスを伺うのはダメ!

恋愛のハウツーなどでは「まずはお友達から始めて距離を縮めていこう」のように言われることが多いですが、単純接触効果・ザイアンスの法則の観点から見れば、ダラダラと様子を見ながら付き合っていては本当に単なる友達止まりで終わってしまいます。

そうではなく、相手の自分に対する印象が固まって動かなくなってしまう前に、思い切ってデートやご飯やお酒に誘ってみるんです。

そうすれば相手もあなたに対して「この人はもしかして自分に好意を持っているのかな?」のように、男女関係を意識するようになります。

意識すればするほど気になってしまう、これも人の性ですよね?

ザイアンスの法則による好感度上昇効果が有効なうちに、2人の間に恋愛関係が存在すると言うことを相手に意識させてあげましょう。

上手く行けば「最初はそんなつもりは全然無かったんだけど、気が付いたら好きになってた」と、相手の口から言わせることが出来るでしょう。